2004.06.18 庭 それぞれ

家を建てて間もなくの頃、既に私は庭作りにはまっていた。家は立派なのに庭が丸裸じゃ恥ずかしい、と思ったのがそのはじまりだ。それに、家の中は家族か親しい友人しか見ないが、庭は家の前を通る人すべてが目にする、いわば家の顔のようなもの。雑草だらけだったりドロだらけだったりしたらやっぱり恥ずかしい。
 同じようなことを、3ヶ月点検にきたハウスメーカーの方もおっしゃっていた。「庭を見れば家の中がどうなっているか、大体わかるんですよ。」なるほど、プロの目は厳しい。やっぱり外回りは大事なんだなあ。

そうして、庭作りに没頭するうちにだんだんそれが趣味になり、庭や植物を通してお友達もたくさんできた。ガーデニングが趣味のお友達の庭は、やはりどこの家も手入れする人の思いが伝わってくる。華やかな一年草をコンテナに入れて並べただけというお庭とひと味もふた味も違うことは、同じ趣味のものとして一目瞭然。でも、その人の好みや家族構成や、または生活環境によって、例え目指す方向が同じでも、ひとつとして同じ庭というものは存在しない。ここがけっこう面白い。もちろん参考になることもたくさんあって、お互い大いに刺激になるので、お友達のお庭を見ることはとても楽しいことだ。

先日うかがったsigeoさんご夫婦のお庭は、気取りがなく、ハーブたちがのびのびと生育し、爽やかな風がそよぐ癒しの庭であった。きっと、お庭はご夫婦の遊び場なんだろうと思う。そこここにいたずら心が満載で、知らず知らずのうちに微笑んでしまう、そんな暖かい空間。「雨が降るたびにビショビショになってしまうのが困る」とおっしゃるが、踏みしめられた小道の両側にはタイムやラムズイヤーが揺れ、まるで光が踊っているかのようで、その奥には何があるのだろうかとついつい誘われてしまう魅力がある。

「庭には柿の木がなくっちゃあ!」ご主人のsigeoさんのこだわり。確かに、昔よく見た懐かしい光景に柿の木はかかせない。秋深く、鈴なりの柿。そんなイメージは確かに頭の中にすぐ浮かんでくるが、柿の芽吹き、柿の花、柿の青い果実・・・今まで気づきもしなかった。これが柿の花かあ!あんなに大きい実がなるのに、花はこんなに可愛らしい。でも、ちょっと柿の実に似ていなくもない。sigeoさんがせっせと交配して、赤ちゃんの実がたくさんなっていた。秋にはこれを目的にまた招待してもらおうかな(^^ゞ

 

もちろん、misaoさんが大切に育てている美しい花たちも色とりどり咲き誇っていた。雨が降って薔薇の季節は過ぎ行こうとしていた頃だったけれど、薄いピンクのニュードーンの生垣はとても素敵だった。フェンネルのふわふわの葉の茂みでは、カマキリの赤ちゃんが遊んでいた。彼女のサイトで繰り広げられる和やかで楽しい世界が、目の前に広がっていた。

    

庭談義に時を忘れ、misaoさんの作ってくれた餃子に舌鼓を打ち、楽しい一日はあっという間に過ぎていった。笑いの絶えない暖かい家庭の暖かいおもてなし。彼女の庭は、まさにそんな暖かさに満ちていた。

 

ぜひHPを覗いてみてください。楽しい世界が待っています。sigeさんの庭造り